クライアントは、世界中の任意のディスプレイに対して遠隔からデジタルコンテンツを配信・管理できる クラウド型スクリーン広告管理システム を必要としていました。目的は、複数拠点に設置されたスクリーンへ迅速にコンテンツを公開し、常に最新状態を保てる運用基盤を構築することでした。
このデジタルサイネージソフトウェアは、コンテンツの作成・公開を短時間で行えるだけでなく、現場に行かずに画面管理を実施できる点が大きな特徴です。本プロジェクトでは、Raspberry と ODROID-C4 の活用を含むアプリケーション開発によって、実用的な配信基盤を実現しました。
さらに、単なるコンテンツ配信だけでなく、限られたハードウェア資源の中で高い動画再生性能を出すこと、映像切り替え時のギャップを最小化することが重要な技術要件でした。

機能
- 任意のスクリーンへのデジタルサイネージ接続: ScreenFluence のプレイヤーを接続すれば、どの画面でもすぐにコンテンツ管理を開始できます。
- 大規模コンテンツ管理: 画像、動画、文書を多数アップロードでき、複数ユーザーアカウントや多数の設置場所も管理できます。
- 遠隔更新: どこからでもコンテンツを公開・更新でき、ディスプレイを常に最新状態に保てます。
- SSO 認証: シングルサインオンに対応し、企業利用時の管理性と利便性を高めています。
課題
- 限られた Raspberry 環境で高い動画再生性能を出すこと: 大規模プロジェクトの中でも、最も難しかったのは限られたリソース上でスムーズな動画再生を実現することでした。
- 動画切り替え時のギャップ解消: クライアントは動画から次の動画への切り替え時に空白時間が出ないことを期待しており、これは非常に難易度の高い要求でした。
ソリューション
- 複数技術の比較検証を伴うR&D: Android と Electron の両方を試し、それぞれの性能を測定しました。同様に Raspberry と ODROID-C4 についても比較研究を行いました。
- ODROID-C4 と Android の採用: 検証結果を踏まえ、性能要件を満たすための構成として ODROID-C4 と Android を選定しました。
- Android アプリの大幅な最適化: 整理された マルチスレッド設計 を導入し、さらに foreground processing も活用してパフォーマンス改善を図りました。
ビジネス成果
- 2,000 台以上のアクティブデバイス: システムは実運用で 2,000 台を超えるデバイス規模に対応しています。
- 遠隔運用の効率化: 多数のディスプレイに対するコンテンツ管理がより迅速かつ一貫して行えるようになりました。
- 表示体験の向上: 動画再生と切り替えの最適化により、現場での見え方と安定性が改善されました。
結論
このプロジェクトは、HDWEBSOFT の Custom Software Development および Android Application Development の強みを示す事例です。私たちは、プロジェクト途中から参画した状況でも技術課題を見極め、新たな解決策を提示できる適応力を発揮しました。
また、外部デバイスである Raspberry や C4 と連携しながら、Ruby on Rails から Python + Django への移行、さらに jQuery からよりモダンな Vue.js Single Page Application への移行も提案し、将来の拡張性と保守性を高めました。